<平成19年(行ケ)第10039号 審決取消請求事件>(判決文はこちら)
昨日に引き続き商標の類否に関する事件をもう一つ。今回は称呼『ニワカ』が同じ商標同士は類似?についてです。
原告の本願商標は引用商標と類似するとして拒絶査定が出されました。原告は拒絶査定を不服として審判請求をしましたが、請求が認められなかったので提訴したのがこの事件です。本願商標と引用商標は、指定商品「貴金属、身飾品、時計」が重複します。
審判では、『両者は称呼・観念が類似し、かつ、取引の実情において商品の出所の混同をきたすおそれはないと考えさせる特別の事情も認められないから、類似』と判断されたようです。
そしてこの裁判では以下のように判断されました。
『商標の類否は、外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかもその商品の取引の実情を明らかにしうる限り、その具体的取引状況に基づいて判断すべきである。すると、
・称呼について:引用商標からも本願商標からも『ニワカ』の称呼が生じるので同一、
・観念について:引用商標からは「俄狂言」(「ニ○加」と表記される)の観念が生じ、本願商標からも「俄狂言」の観念が生じるから同一、
だから、外観の差異を考慮しても、引用商標と本願商標は類似。そして、
・取引の実情において商品の出所の混同をきたすおそれはないと考えさせる特別の事情について:原告提出の証拠によっても、本願商標の指定商品全般についての一般的、恒常的な事情といえるほどの周知著名性が得られたとは認められないし、その他の原告主張によっても、特別の事情があるとは認められない。
以上より、本願商標は引用商標と類似!』
として、だいたい審決の内容を支持しました。
本日はこの辺で。
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