ドアラとテディはベアー違い

<平成20年(行ケ)第10014号 審決取消請求事件>(判決文はこちら

 英語圏でコアラはコアラベアーと呼ばれたりしますが、ドアラはドアラベアーと呼ばれたりしちゃうのでしょうか。
 ちなみに、コアラは有袋類なので
“ベアー”というのは全くの間違いらしいです。

 あ、ついドアラネタに…。

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 でも今日は、ベアーはベアーでも、テディベアーの話しの続きです。

 ところで、テディベアーという名称は、セオドア・ルーズベルトの有名なエピソードからきているのですね(この判決で初めて知りました)。
 そして、今では、あの形の小熊のぬいぐるみを意味する普通名詞として知られるようになっています(by判決文)。

 ということは、、「テディベアー」&「TEDDYBEAR」なんて商標を登録しちゃってよかったのしょうか?
 というのが、昨日の宿題でした。

 実は、この事件の原告も、
 『「テディベアー」&「TEDDYBEAR」の商標権の取得等は国際信義に反した不正な目的をもったものであるにもかかわらず、審決でその点を判断しなかったのはおかしい!
 と主張していました。
 過去には「赤毛のアン」なんかも、この理由で登録無効とされてましたね。

 でも、あくまで不使用取消審判の審決なので…。
 
 案の定、裁判所は、
 『仮にそうだとしても、不使用を理由とする商標登録の取消事由に該当すると評価することはできない。
 としました。

 それはそうとして、裁判所は、『「テディベアー」&「TEDDYBEAR」の商標権の取得等は国際信義に反した不正な目的をもったもの』に該当するかどうかについて、どう言ったのでしょう?

 結論からいうと、該当の可能性あり、と言いました。
 具体的には、
 『「Teddy bear」(又は「teddy bear」),「テディベアー」(又は「テディベア」)の語の由来を考慮すると,ぬいぐるみと同一又は類似の商品のみならず,ぬいぐるみと強い関連性のある商品についてであっても,「Teddy bear」(又は「teddy bear」),「テディベアー」(又は「テディベア」)という語を商標として登録し,それを特定の商標権者が独占することは,セオドア・ルーズベルトの有名なエピソード,又はテディベアの愛称をもつ小熊のぬいぐるみ固有の人気や著名性に便乗する意図,又は誰もが自己の商品にその「テディベアー」等の名称を自由に使用できるという共通の認識を覆す意図があり,公正な競争秩序ないし公平の観念に反するものとして,商標登録の無効事由を構成する余地があるというべきである。
 と判示しました。

 無効事由の該当条文としては、4条1項7号というところでしょうか?
 でも、「他人の業務に係る商品を表示するものとして」の周知性が認められれば、4条1項19号もあり得るかも。

 ちなみに、IPDLで「テディベアー」とか「TEDDYBEAR」で検索すると、結構ヒットします。
 ヒットした登録商標が無効事由に該当し得るかどうかのメルクマールは、指定商品が“ぬいぐるみと強い関連性のある商品”かどうか、ということ?
 今回の事件は「タオル」を含む指定商品でしたけど。
 
 ってことは、ひょっとしたら、「テディベアー」とか「TEDDYBEAR」の登録商標で、他にも無効事由に該当し得るものがあるかもしれない?
 そんな疑問を持たれた方は、ぷちぷちお願いします。
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