「商標・意匠・不正競争判例百選」読み合わせ勉強会No.5

毎週1回『商標・意匠・不正競争判例百選(第2版) 別冊ジュリスト』の読み合わせ勉強会に参加しています。勉強会の内容を自分的に整理した覚書メモです。

 

1.月の友の会事件(S57(行ツ)15)

【テーマ】

他人の「名称」の意義

【メモ】

判決の意義:商号に含まれる「株式会社」「有限会社」等を除いたものは、名称の「略称」である。

=4条1項8号が適用されるためには、著名性が必要。

 

○外国企業の商号

その企業が設立された国の法令の規定に則って付された正式名称が「名称」

Carrefour(カルフール)事件では、フランス会社法に則って、「CARREFOUR」が正式名称と認められた(商号が株式会社等の組織形態を含まない)=著名性を要せずに4(1)8該当性が認められる

* これを逆手にとって、(日本企業の略称が著名でない場合等に)フランスみたいな会社法の国に子会社等を設立しておけば、その正式名称を使って他人の登録阻止/取消/無効できる?(さすがにペーパーカンパニーだと実体がないと退けられるかもしらんが、小規模でも事業活動していれば…?)*ただし4(3)に留意

 

2.国際自由学園事件(H16(行ヒ)343)

【テーマ】

「略称」の著名性

【メモ】

『「著名な略称」に該当するか否かを判断するについても、常に、問題とされた商標の指定商品又は指定役務の需要者のみを基準とすることは相当ではなく、その略称が本人を指し示すものとして一般に受け入れられているか否かを基準として判断されるべき』
4条1項8号の趣旨は人格的利益の保護と解されるから。

最高裁として著名性の人的基準を示した点に意義がある。

 

○”著名”の基準

具体的な基準、例えば「一般」の人的範囲、「一般」と「需要者の関係」、地理的範囲等には十分な言及なし。

「略称」がある程度周知性があると考えられる場合は、4(1)10, 15とか、(出願経緯が社会的妥当性を欠くような場合は)なんなら 19, 7 とかと抱き合わせで情報提供/異議申立/無効審判請求をすると思われるので、どの規定が落としどころになるかを検討するのに、各規定で「周知性」「著名性」等がどう判断されているかを知ることは重要。
参考:2019 パテント  Vol. 72 No. 4(別冊 No.21)『商標法 4 条 1 項 7 号,8 号及び 19 号と周知・著名性』https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3339

不正競争防止法の参考判例:

「京都市立芸術大学事件」
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/685/089685_hanrei.pdf
『不正競争防止法2条1項2号の前記趣旨に鑑みると,「著名」な商品等表示といえるためには,当該商品等表示が,単に広く認識されているという程度にとどまらず,全国又は特定の地域を超えた相当広範囲の地域において,取引者及び一般消費者いずれにとっても高い知名度を有するものであることを要すると解される。』

「青山学院事件」
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/375/012375_hanrei.pdf

 

○”略称”を含むといえるか否か

「国際自由学園」は「自由学園」を含むといえるか否か…
判決では特に検討せず「含むことは明らか」としている。

参考:「INTELLASSET」事件
(NAKAGAKI先生(@nkgk1017)作のわかりやすいまとめ。掲載につきご快諾いただきました☆彡)

表記の違いで「入っとる」「入っとらん」が分かれた。

てゆーか、そもそも「INTEL」と「INTELL」って違うし、”入ってる”っていうのは、まあまあむりむり感がしないでもない…(H19(行ケ)10113では “相違は1文字にすぎず”って言ってるけど…)

『「Intellectual」とほかの言葉との造語の創作余地が一気に狭められる判決ですね。』とのご意見も!

 

※過去のブログで触れたこともありますが、昔の記事は真っ黒な黒歴史だ…ぎゃー汗

インテ…どっちやねん?
<平成21年(行ケ)第10074号審決取消請求事件>(判決文はこちら) 本日は、ある登録商標が4条1項8号に該当するとして無効審決が出されたので、その商標権者が原告となって提起した無効審決の取消請求事件を取り上げます。 その本件商標はこちら...
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