特許

不正競争防止法等の一部を改正する法律が公布されました

2023.06.14

不正競争防止法等の一部を改正する法律が公布されました。
この法律により、不正競争防止法、特許法、実用新案法、意匠法、商標法、工業所有権特例法などが改正されます。

改正法の3つの柱
(1) デジタル化に伴う事業活動の多様化を踏まえたブランド・デザイン等の保護強化
(2) コロナ禍・デジタル化に対応した知的財産手続等の整備
(3) 国際的な事業展開に関する制度整備

改正法の施行日は、交付日である2023年6月14日から1年を超えない範囲内で定められることになります。

▼詳細は特許庁HPをご覧ください。
・「不正競争防止法等の一部を改正する法律(令和5年6月14日法律第51号)」(https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/hokaisei/sangyozaisan/fuseikyousou_2306.html

・「不正競争防止法等の一部を改正する法律【知財一括法】の概要」※PDFデータ(https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/hokaisei/sangyozaisan/document/fuseikyousou_2306/01.pdf

改正法の一部を紹介します。

◆不正競争防止法◆
・商品形態の模倣行為について、デジタル空間上でも不正競争行為の対象とし、差止請求権等を行使できるようになります(不正競争防止法第2条関係)

◆商標法◆
・登録録可能な商標が拡充されます。
 ①氏名を含む商標も、一定の場合には、他人の承諾なく登録可能になります。(商標法第4条第1項第8号、第4項関係)
 ②先行商標権者の同意があり、出所混同のおそれがない場合には後願が登録可能になります。(商標法第8条関係)

◆意匠法◆
・意匠の新規性の喪失の例外適用申請手続きが緩和されます。意匠登録出願前に同一又は類似の意匠について複数の公開行為があった場合でも、最先の日に行われた一の行為について証明書を提出すれば全ての公開行為について新規性の喪失の例外適用が受けられるようになります。(意匠法第4条第3項、第60条の7第1項関係)

◆特許法◆
・出願審査の請求の手数料の減免について、一部件数制限が設けられます(特許法第195条の2、第195条の2の2関係)
・裁定手続で提出される書類に営業秘密が記載された場合に閲覧制限が可能になります(特許法第195条の2、第195条の2の2関係)

また、コロナ禍・デジタル化に対応した知的財産手続等の整備として、
・優先権主張の手続について、優先権証明書類等は電磁的方法により提供されたものを含むものとなり、当該書類の写しを提出することが可能になります(特許法第43条第2項、第44条第4項、実用新案法第10条第8項、意匠法第10条の2第3項、商標法第10条第3項、第13条第1項関係)
・在外者への査定結果等の書類について、インターネットを通じた送達制度が整備されます。(特許法第191条第1項、第2項関係)