ばななを使ってましたか?

 昨日の続きです。

 「大阪プチバナナ」と「大阪ばな奈」は似ているか。

 特許庁は『似ている!』という決定を出していました。
 一方、裁判所は『似ていない!』という判決を出しました。

 どうして結論が違うのでしょう?

 裁判所の言い分をかいつまんでみると…
 ・外観(見た目)について:
  「プチバナナ」は片仮名で「ばな奈」は平仮名(+漢字?)なので、外観が異なる。(「大阪」は都市名で識別力がないから対比対象としない)
 ・観念(イメージ)について:
  「プチ」は「菓子及びパン」の分野においては,商品の形状、品質等を表示する語として普通に使用されている語と認められる。「バナナ」と「ばな奈」はあの「ばなな」を連想させる。よって、「プチ」が異なるのみで、ある程度類似する。
 ・称呼(読み方)について:
  「プチ」は,はっきり識別できる音で特徴的な響きを有するものであるから、登録商標Aと登録商標Bは称呼において共通する点があるものの、異なる点もあるということができる。
 
・取引の実情について:
 登録商標Aはその登録査定前から使用されており、登録査定時には一定の信用が形成されていたと認められる。一方、登録商標Bは不使用取消審判で取消されたことから、その審判請求の登録前3年以内には使用されていなかったわけで(この期間に登録商標Aの登録査定時が含まれる)、登録商標Aの登録査定時に登録商標Bに何らかの信用が形成されていたと認めることはできない。
 ・類否の有無:
  外観は類似せず、観念はある程度類似し、称呼は共通する点があるものの異なる点もある程度であり、これらの諸要素に、取引の実情として、登録商標Aの登録査定時に登録商標Aには一定の信用が形成されていたものの登録商標Bに何らかの信用が形成されていたとはいえないという事実があることを総合勘案すると、登録商標Aの登録査定時において商品の出所を誤認混同するおそれがあったとは認められないというべき。だから、登録商標Aと登録商標Bが類似するということはできない!

 おお、不使用取消審判で取消された事情が効いたわけです。
 登録査定時の事情が不使用取消審判によってわかったと。
 
 登録商標Aの商標権者にとっては、登録商標Bについて不使用取消審判を請求した甲斐がありましたね…

 本日はこの辺で。
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