神戸系可愛ゴーvs.東京エレガンス系モテ服

<平成19年(ワ)第3024号 商標権侵害差止等請求事件>(判決文はこちら
 本日のタイトルを見て、「か、可愛ゴーって何?」と思ったアナタ!わたくしと同じですね
 「可愛ゴー」とは、「可愛くてゴージャス」の略称で、「女らしくて上品かつ華やかなスタイル」とされているそうです。
 
 ということで、本日取り上げる事件は、ファッションに詳しい20代の女性にはおもしろいかもしれません。
 
 原告は「CLEAR」という商標権を持っていて、関西を中心として「CLEAR」ブランドを展開しているアパレル企業です。この「CLEAR」ブランドは、「神戸系」のセレクトショップと、そこが提供する服飾のブランドとして広く知られているようです。

 一方、被告は、「CLEAR IMPRESSION」というブランドを展開しているアパレル企業で、レディス関係の売上高は日本で第8位だそうです。この「CLEAR IMPRESSION」というブランドは、被告企業が以前から展開していた「エ・ピウス・プレイス」をリニューアルする形で、当初から全国的に展開したものだそうです。

 問題となったのは、被告がJJでタイアップ広告を出したときに使ったロゴ(標章)です。
 
 JJのタイアップ広告で使ったロゴは5種類あって、
 ロゴ1:上段に大きく細く「CLEAR」、下段に小さく太く「IMPRESSION」と横書きしたもの。さらにその下に「Princess Goes to Office」と小文字で並記。     
 ロゴ2:上段に大きく「CLEAR」、下段にやや大きく「IMPRESSION」のゴシック文字を横書きしたもの。
 ロゴ3:筆記体文字で「Clear Impression」と横書きしたもの。
 ロゴ4:上段に「CLEAR」、下段に「IMPRESSION」のゴシック文字を同じ大きさで横書きしたもの。さらにその下に「Princess Goes to Office」と小文字で並記。 
 ロゴ5:「CLEAR IMPRESSION」のゴシック文字を横書きしたもの。

 さて、まずロゴ1ですが、「CLEAR」が大きく書かれていたので、原告の登録商標「CLEAR」と類似すると判断されました。
 問題は、ロゴ2ロゴ5です。「CLEAR」だけが独立して目立つように書かれていたわけではないので。

 原告は、自己の「CLEAR」ブランドが周知となっているから、ロゴ2ロゴ5を見た需要者は「CLEAR」の部分に注意が惹かれてしまう(だから、自己の登録商標「CLEAR」と類似する)と主張しました。

 さて、原告の主張は認められたのでしょうか?
 ポイントは、需要者層である20代の女性が、ロゴ2ロゴ5を見て、原告ブランドの「CLEAR」と間違えるか、というところですね。

 …続きは、明日。
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コメント

  1. Unknown
    私なりに考えますと、20代の女性が買物をするならば、欲しいものを扱っている店舗はどこにあるか、その店舗にはどのような商品があるかを知った上で訪れているのではないかと。
    そうすると、混同する虞はないかと考えます。
    「あたしは、いつもトリンプ」という女性が、ワコールの店舗へ行って「トリンプな~~い~」とは言わないと思います。変な比喩ですな。

    だが然し、私のようなおぢさんが、買物を言付かって、目的の店舗へ行く途中に、よく似た商品を扱う店を見つけて寄り道し、類似した商標の類似商品を買ってしまうことはあるかもしれない。
    帰ってから叱られるだろうね。
    これもおかしな話でした。

  2. Unknown
    まさにその通りの判決でありました!
    20代のファッションに敏感な女性が間違えるわけないじゃん…といったような。
    需要者層でないアウトサイダー(私はこちら)が間違えることは、殆ど考慮されないんですね…
    だから買物を言いつけるときは、やはり需要者層に属する人に頼むのが安全ということで(??)。

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