“普通に払われる注意力”は現場で起こってるんだ!

 『商品・役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力』。
 商標の類否判断における基準とされています。
 外国語のネーミング商標の類否判断の場面でよく出てきます。
 例えば、「せっけん類,はみがき粉」の取引者・需要者が普通に払う注意力をもってしたら、「PORT」と「POUT」は称呼(読み方)も外観(見た目)も観念(イメージ)も似ている、といった感じで使われます(これに関連する記事は
こちら)。

 でも、『商品・役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力』って、実際問題として、明確に断言できないことも多そうですよね。
 義務教育で普通に習う語句だからとか、辞書では三ツ星が付いている語句だからとか、そんな理由で推測するしかなかったりします。

 ところで、昨日、天気も良かったのでクライミングしに行っていたのですが、岩場の名前は「パラダイス・ロック」。英語にすると「Paradise Rock」。(って言われなくてもわかっとる!とお思いの方が多いと思いますが…)
 日当たりも良くポカポカしていて、思わずお昼寝したくなる程気持ち良かったです。

 すると、岩場にいた別パーティーの一人の方が
 「きのう、『パラダイス』を辞書で調べたんっすよ。“極楽”って意味だって載ってましたよ。“極めて楽しい”って意味っすよ~!ぴったりっすね~」
 と相手の方に大声で講釈されておりました。

 『パラダイス』を辞書で調べた…。
 
 思わず頭に浮かんだのが『商品・役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力』というフレーズ。
 特許庁や裁判所は、取引者・需要者の立場に立ったつもりでも、ついつい自分の基準で『普通に払われる注意力』を考えてしまうのでしょうか。

 “普通に払われる注意力”は現場で確認を!
 と思わされた一件でした。
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コメント

  1. Unknown
    『パラダイス』を辞書で調べた…。
    読ませていただいて、改めて調べてみました。広辞苑で。
    気にしたことが無かったのですが、観念的にご存知でない方が居ると知りました。初めて。
    探偵ナイトスクープの「パラダイスねた」にしたいような、妙に現実離れした話題ですね。
    個人的には、パラダイス・ロックにしがみつくより、「天国への階段」に導かれたいです。

  2. Unknown
    「one」を「オネ」と読んだ高校生を知っています(中堅くらいのフツーの高校に通っていました)。裁判官や審査官の方々には想像できないかもしれませんが…

    誰もが使う日用品など、需要者・取引者が広範な場合、どの方をもってして“普通に払われる注意力”とするかは難しいような気がしますよね…

    あ、でも、友人のおばあちゃん(80代)が、知り合いの男性(○○ちゃん)がある女性に振られたエピソードを語っていたときに「○○ちゃん、オミットされてまったに。」と仰っていました。omitって…おばーちゃん、何で知ってるの…?

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