昔から使ってた屋号を変えた訳は?

 また暖簾(のれん)の話です。
 ちまたで流れている噂を引用しますが、真偽の程は定かでありません。悪しからずご了承下さい。

 名古屋北部に昔からある小さなうどん屋さんが、「カレーうどんが美味しい」として、ここらでは有名です。
 開店当初の屋号は「若○家」。それで「本家本元の若○家」などと呼ばれたりします。
 
 さて、このうどん屋さんは、サービスマーク登録制度ができた後も商標登録出願しなかったようです(飲食店の場合、例えば「うどんを主とする飲食物の提供」等のサービスを指定します)

 ところが、サービスマーク登録制度が運用開始となった途端、他の会社が「若○家」で商標登録出願をして、商標登録を受けました。

 それで、本家本元の方は、屋号を変えざるを得ず、現在では「○乃家」で営業しています。

 …というのが、噂を基にした概要です。
 
 この話、本当でしょうか…??
 仮に本当だとしたら、ちょっと疑問が…。

 サービスマーク登録制度ができる前、当然ながら、
 「誰かが新たにサービスマークの商標権を得たからと言って、他の人が以前から使用しているサービスマークを使用できなくなってしまうのはいかがなものか」
 ということが考慮されました。

 それで、『以前から使用してきたサービスについては、使用している範囲内で引き続き使用できる』という権利が認められているのです。
  上記“本家本元”のお店は、雰囲気的に昔ながらのままという感じですので、仮に噂が本当だとしたら屋号を変える必要はなかったかもしれません。

 ただ、『引き続き使用した結果、商標権者とサービスの混同を生じるような事態となった場合は、商標権者は混同防止のための表示を付すように請求出来る』ともされており、この請求が結構やっかいとなる可能性が。
 商標権者から請求されて、「××(地名)の若○家」等といった分店っぽい表示をしなければならなくなることもあり得るからです。
 昔から使っているのに、そんな表示をしなければならないのは納得いかないかもしれません。そういった表示が嫌で「○乃家」に屋号を変えたということでしょうか?
 さて、真偽の程はどうなんでしょう?
 
 本日はこの辺で。
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コメント

  1. Unknown
    この手の話は多く耳にしますね。
    名古屋の今池にあるお好み焼き屋さん。屋号を他人に登録されたようです。
    それによって商売に支障があるかは不明ですが、万一の場合は、千種警察も近いことだから相談することですね。

  2. Unknown
    お好み焼き屋さんとは「○○屋」さんのことですか?気になって調べてみたら、確かに登録されています。
    ただ、商標権者の方は、ほんの少し地域が異なるようです。

    今池の「○○屋」さんも「自己の名称」と認められる屋号の使い方をしていれば商売に支障はないと思われます。

    警察ですか…。民事不介入でどうなんでしょうか?

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