快通の争い

<平成18年(ワ)第7758号不正競争行為差止等請求事件〔第1事件〕,同第7759号損害賠償請求事件〔第2事件〕>(判決文はこちら

 大統領の演説、まさにMartin Luther King. Jrでしたね!個人的には、会場で座って聴いているBush氏がやってきた行為と、演説の内容とのギャップがおもしろかったです。

 さて、本日は「快通ハーブ粒」という商標にまつわる争いです。
 結論自体は特記することはあまりないと思うのですが、原告と被告とが争うようになった経緯にちょっと興味をそそられました。

 ○事件の概要
 第1事件の原告はNW社、被告はW社とN社です。ちなみに、被告W社とN社の代表者は同一人物のようです。 

 原告NW社は、以下の登録商標(登録代5062995号)を持っています。
 商標:快通バーブ粒(標準文字)、指定商品:第29類「ハーブを主成分とする粒状の加工食品」。
 
 原告NW社は被告Wに対して原告商品の製造を委託していました。
 原告商品の製造委託の契約書中では、次のような条項がありました(ちなみに、被告W社は自社ブランドとして「スリムダイエット粒」なる商品を販売しておりました。)。
 「・快通ハーブ粒の販売に当たり,原告は近畿2府4県及び石川,三重,徳島の各県(以下「本件エリア」という。)においては店舗販売ルートにおけるハーブ粒商品の独占販売を行い,それ以外の地域については,被告ウェーブの製造販売するスリムダイエット粒と協調販売を行う。
 ・被告ウェーブの発売するスリムダイエット粒は原告の上記独占発売地域(本件エリア)外において販売活動を行う。
 ・被告ウェーブの取引先に関し,広域販売網を持つ会社との取引については,その出店先が他の条項に抵触しない。」

 さて、契約締結から約5年後、被告W社は原告NW社に契約解除通知書を送付します。解除の理由は、「原告が本件製造委託契約に違反して他社に「快通ハーブ粒」の製造委託をしたことを原告の債務不履行とし,これにより信頼関係が破壊されたこと」でした。

 これに対して原告NW社は、被告W者が主張する原告の製造委託義務が原告にはないこと、及び被告W社が本件エリア内においてハーブ粒商品(商品名「スーパーハーブティー粒」等。)を販売していることを理由に、製造委託契約を解除する旨の意思表示をしました。その後、原告は、被告ウェーブに対してハーブ粒商品の製造委託をしていませんでした。

 一方、もう一つの被告N社は、原告W社の上記商標登録が出願される1週間ほど前に、同様の指定商品で「快通ハーブ粒」を出願していました。

 また、被告W社とN社は、他K社に対し、ハーブを主原料とする粒上の加工食品の商談を持ちかけたことがありました。
 なお、K社は契約当時、K社は原告W社の主な取引先だったのですが、被告W社はK社と殆ど取引がありませんでした。こういった事情から、K社への販売に関しては色々やりとりがあったようです。

 …ここまで書いて力尽きたので、続きはまた明日。
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関連記事:駒沢公園行政書士事務所日記
(この事件のモトになった契約についてコメントされています)
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