昨日の続きです。
4条1項11号に対する裁判所の判断ですが、結論からいうと「非類似」でした。推測できた方も多かったでしょうか。
原告M社は、第1事件の本件商標「COLLLAGE VEIL」も、第2事件の本件商標「COLLAGE TECHTO」も、要部は「COLLAGE」だと主張し、その理由として、以下のようなことを挙げていました。
・第1事件の本件商標の「VEIL」は普通名称で識別力が弱く、第2事件の「TECHTO」は分離して認識される、
・第1事件の本件商標「COLLLAGE VEIL」も、第2事件の「COLLAGE TECHTO」も、「COLLAGE」はファミリーマークと認識され、「VEIL」は品質表示、「TECHTO」はペットネームと認識される、
・化粧品、せっけん類の業界ではフランス語が好んで用いられるし、「collage」は一般的な語だから、需要者・取引者は「COLLAGE」から「コラージュ」の称呼を認識する、
など。
しかしながら、これらの主張は全て認められませんでした。
よって、第1事件の本件商標「COLLLAGE VEIL」も、第2事件の「COLLAGE TECHTO」も、一体として認識される(片仮名も一体として認識される、又は欧文字と片仮名とが一体として認識される)、とされ、
結論的には、引用商標1~3と「非類似」であるとされました。
次に、4条1項15号について。
4条1条15号についても、原告M社の「Collage」「コラージュ」の表示の周知・著名性は認められず、混同は生じないとされました。
以上より、審決の取消しは認められず、第1事件の本件商標「COLLLAGE VEIL」も第2事件の本件商標「COLLAGE TECHTO」も、登録無効ということにはなりませんでした。
ところで…
4条1項11号についての原告の主張に対し、裁判所は、
『「コラーゲン(collagen)」は,~若さを保つ成分として,食品や化粧品の原材料や成分などとして注目されていること,「Collage」は,「コラーゲン」の「collagen」と「n」の1文字のみが相違すること等の事実に照らすならば,「Collage」との表示は,需要者,取引者をして,「collagen」を連想させるため,化粧品等に用いた場合には,識別力が強いとはいえない。』
と言ってたりしますが、そ、そうかな…?それはちょっとビミョーな気が…。(揚げ足取りですね)
で、昨日ハタと気づいたのですが、我が家の洗面台にM社の「Collage」の試供品があった…。
ダンナが、肌がかぶれたとか何とかで皮膚科に行ったときにもらってきたらしい。
裁判では、本件商標らの出願時・登録査定時における、M社の「Collage」の周知・著名性が否定されましたが、今では敏感肌の方の間では有名っぽいですね…
ということで、本日はこの辺で。
次回も見ていただける方、ぷちっと押していただけると嬉しいです。
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