意匠新着審決【3条1項3号系】【判定】

昨日は、若手BshiOくんを誘い、東京から名古屋にいらっしゃった弁理士さんと呑みに行きました。
とても楽しいお話を聞かせていただきました!
ほぉー、池袋というのはそういう土地柄なのですか。ディープでわたし好みの感じです。今度東京に行ったら立ち寄ってみよう。

さて、木曜日になりましたので、意匠の新着審決のご紹介をいたします。

■■意匠新着審決【3条1項3号系】

●不服2010-3660  
意匠に係る物品「光ディスクドライブ用モータ」

本願意匠(意願2008-7115)と引用意匠(意匠登録第1249195号)は非類似と判断されました。
*判断主体: 言及なし
*公知意匠の参酌: なし

本願意匠

引用意匠

 『本願意匠における実線部分とそれに対応する引用意匠の部分とを対比すると,本願意匠においては,幅寸法が倍以上相違する調芯爪と保持爪が,等間隔で規則正しく放射状に配置されているのに対して,引用意匠では,幅寸法がほぼ等しい調芯爪と保持爪が,交互に不等間隔で放射状に配置されている点,本願意匠には,補強用フランジが有るのに対し,引用意匠には無い点,で大きな差異が見られ,類否判断に与える影響は大きいと考えられる。


●不服2010-2940  
意匠に係る物品「ミニスピーカボックス」

本願意匠(意願2008-23537)と引用意匠(意匠課公知資料番号第HA19010255号)は非類似と判断されました。
*判断主体: 言及なし
*公知意匠の参酌: なし

本願意匠

引用意匠

 『全体の稜線につき,引用意匠は半径の小さなR曲面で構成し,柔らかな感じを与えているのに対し,本願意匠は,その様な態様とせず,鋭利な感じを与えるものである点,正面形状につき,本願意匠は四辺を面取りし,発音用穴を正方形に配置したのに対し,引用意匠は面取りが無く,発音用穴を正円に配置した点,そして,付属部品的存在であって余り類否判断に与える影響が大きい部分とは言えないが,キーホルダー用の取付け具の両端の輪の間の部分が,本願意匠は角柱状体であるのに対し,引用意匠は円柱状体である点,で差異が見られ,それぞれに類否判断に与える影響があると考えられる。


●不服2010-703   
意匠に係る物品「ケーキ」

本願意匠(意願2008-18873)と引用意匠(外国雑誌「I.D. The International Design Magazine」 7号 第55頁所載の「ケーキ」の意匠)は非類似と判断されました。
*判断主体: 看者
*公知意匠の参酌: なし

本願意匠

引用意匠

 『両意匠の前記共通点に係る構成態様は,物品全体の骨格を形成するものではあるが,抽象的ないしは大掴みな共通性であって,前記共通点が類否判断に及ぼす影響は限定的なものといわざるを得ない。
 これに対して,前記相違点は,ケーキの上部装飾部の態様が,そのケーキ,すなわち意匠全体の基調の形成に大きく影響を与えるものであり,一番目に付きやすい部位であるから,その具体的な態様が看者の注意を引くもののであることを考慮すると,その相違は,両意匠のそれぞれについて看者に対して異なった視覚的印象を与えるものといえるから,この相違が類否判断に及ぼす影響は大きいというべきものである。

 ちなみに、共通点と相違点はこちら。
 『(1)共通点
両意匠は,略肉厚円盤状の「台座部」の上面に,バラの花を模した「花形状部」を多数個形成して「上部装飾部」とし,該花形状部については,花弁部材を略渦巻様模様状に配置して形成した点

 『(2)相違点
上部装飾部について,本願意匠は,略薄板帯状の花弁部材を,花弁部材どうしの隙間空間が僅かな幅となるように巻き締めて,花形状部全体を略縦長円筒形蕾状としたうえで,その花形状部を台座部上面に設けた凹陥部に16個程度敷き詰めているのに対して,引用意匠は,略薄板片状の花弁部材を,花弁部材どうしの隙間空間がやや広幅となるように配置し,花形状部全体を開花したかのような態様としたうえで,その花形状部を膨出する台座部上面に7個程配置し,外周に略半月状の薄板片を敷き詰めた点。

●不服2010-665    
意匠に係る物品「双眼鏡」

本願意匠(意願2008- 27898)と引用意匠(意匠課公知資料番号第HH14509015号)は非類似と判断されました。
*判断主体: 看者
*公知意匠の参酌: 共通点の態様につき『この種双眼鏡の分野において、従来から見受けられる態様であり、連結部を結ぶ中心軸を排し、中央部を開放した構造とした点も、各種存在する双眼鏡の構造のうちの1つのタイプを示すに過ぎないものであり、両意匠のみに格別新規な態様ということはできず』

本願意匠

引用意匠


 『前記各差異点の中でもとりわけ(c)及び(d)における、ヒンジ部を含む連結部や連結枠の態様における差異は、両意匠に異なる視覚的効果を生じさせており、通常視認されることが多い、両意匠を斜め上方から観察した場合の印象を大きく決定付けるものといえ、看者の注意を強く惹くもので、その差異は、両意匠の類否判断に重大な影響を与えるものといえる。また、その他の差異点については、それらのみではいずれも両意匠の類否判断に与える影響は小さいが、上記差異点(c)及び(d)に係る態様と相俟って、意匠の類否判断に影響を与えるものであるから、これらの差異点に係る態様が相乗して生じる視覚的な効果は、両意匠の類否判断を左右するに十分のものである。
 ちなみに差異点(c)及び(d)はこちら。
 『(c)ヒンジ部について、本願意匠は平面視で中心側を太く、全体的に曲線的な構成としているのに対し、引用意匠は左右の鏡筒から同じ幅で直線的に構成している点、また、対物レンズ側のドーム状小円凸部について、本願意匠は弾丸状に膨出し、ヒンジも弾丸状膨出部と一体となった曲線状の構成としているのに対し、引用意匠は扁平円筒状とし、フラットな面のヒンジ部中心軸上に突出状に配した態様となっている点、(d)連結部をつなぐ連結枠について、本願意匠は凸湾曲した細幅の枠としているのに対し、引用意匠は、広幅の面構成としている点

●不服2010-4199     
意匠に係る物品「カメラモジュール」

本願意匠(意願2009-17014)と引用意匠(意匠課公知資料番号第HC19022810号)は非類似と判断されました。
*判断主体: 言及なし
*公知意匠の参酌: なし

本願意匠

引用意匠

 『引用意匠の「M1」の図面のみからは,外形が四角柱状であるか円柱状であるか不明確であり,また,正面のレンズ部周辺の凹凸も不明確であり,引用意匠の形状を特定することができない。この点のみによっても,引用意匠とすることは不適切であるが,念のため,同一カタログ中で同一製品番号の形状が異なることは考えられないことから,同一カタログ中の「M1」の写真を参考にすると,引用意匠は,正方形状の平板の基部に略円柱状のレンズ収納部が形成されたものと認められる。
 そうすると,全体形状がやや扁平な四角柱の内側にレンズ部円筒体を形成した本願意匠と,正方形状の基板に略円柱状のレンズ収納部を形成した引用意匠とは,全体形状が大きく相違するものであり,非類似であることは明らかである。


■■意匠新着審決【判定】

●判定2010-600015 
意匠に係る物品「椅子用座」

イ号意匠は本件意匠(登録第1317461号)及びこれに類似する意匠の範囲に属しないと判断されました。
*判断主体: 需要者
*公知意匠の参酌: 共通点全てについて『本件登録意匠の出願前にこの種椅子の分野において公然知られたもの』又は『広く公然知られたもの』

本件意匠

イ号意匠

 『差異点において、(エ)座部の上面形状における上面の膨らみの差異が、類否判断に殆ど影響を与えないものである他は、(ア)背もたれ部形状、(イ)手摺り部の上面から前面にかけての面形状、(ウ)手摺り部と座部との接合形状及び(エ)座部の上面形状における縫合線による溝の有無の差異は、いずれも類否判断に影響を及ぼすものであって、とりわけ、背もたれ部の(ア-1)正面視形状の差において、需要者にとって背凭れ部の構成の差が明確に視認されて、類否判断に及ぼす影響は大きく、また、(ウ)手摺り部と座部との接合形状の差異にしても、手摺り部と座部との組合せ構成が大きく異なるとの印象を需要者に与え、類否判断に及ぼす影響は大きいものがあり、これらの差異点だけをもっても、両意匠の類否判断を大きく左右するものである。加えて、差異点(ア-2)背凭れ部の上面から左右両側面にかけての面形状の差異と差異点(イ)手摺り部の上面から前面にかけての面形状の差異が、その視覚的効果の差異を伴って、全体の統一したまとまりに影響を及ぼし、差異点(エ)座部の上面形状の差異も、イ号意匠の縫合線による溝が座部の上面を前後に二分するもので、縫合線による溝が無い本件登録意匠との印象が必ずしも共通するものではない。そうして、差異点(ア)ないし(エ)の各部が組み合わされて相まって奏する視覚的効果は、既に共通点を凌いで、意匠全体として両意匠に異なる美感を起こさせるものである。

 本日は以上です!
 次回は商標の新着審決よ。見ていただけるんだったらぷちっと押してね…
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この記事を読んでひろた興味を持たれた方は…

【執筆記事】
  
「知財管理」誌 VOL.60  NO.6
  (並行輸入と商標権侵害 -並行輸入の抗弁における「同一人性の要件」及び「品質管理性の要件」-)

  「知財産管理」誌 VOL.58 NO.5
  (「腸能力」審決取消請求事件(平成19年(行ケ)第10042号 審決取消請求事件)
     内容は
こちらからどうぞ

【関係事件】
 代理人になった事件です。負けたのでご紹介するのをためらっておりましたが、思い切って…。
 
平成18年(行ケ)第10367号審決取消請求事件
 なお、牛木理一先生のHPで紹介いただいているので(「特許ニュース」2007年6月29日号の記事です)、そちらも併せてご覧ください~(こちらのB-27の項です)。

【ZIP FM Z-TIME BIZ】
 ここのフォトギャラリーになぜかわたくしが。
  見付からないよ~?→2008/07/23のところ…

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