先週から今週にかけてスポーツではビッグニュースが相次ぎましたね。まずはなんといっても山本昌の最年長勝利。次いでKei Nishikori の準優勝。(順番が違うって?気にしませんよ)
また、ネット上では、先週から引き続き職務発明の件が話題となっています。
商標では、Twitpic が閉鎖されるというニュースが驚きをもって伝えられました。Twitter 社と商標の件で折り合いがつかなかったからということですが…
「写真共有サービス「Twitpic」が9月25日に閉鎖、商標トラブルで 米Twitterは「悲しい」とコメント 」-INTERNET Watch 2014/9/5
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20140905_665361.html
Twitter 社はTwitpicの名称を使ってもいいと言っており、商標の使用中止を求めているのではなく、あくまで商標出願の放棄だけを求めているように読めます。
よくわからないのは、Twitpicの名称を使ってもいいと言われているのに、Twitpic社がサービスを終了することになってしまったことです。表には出てこない色んな事情があるのでしょうか。
http://blog.twitpic.com/2014/09/twitpic-is-shutting-down/
Twitpic は自分も少しお世話になってたりしたので、もし商標登録できないってことだけで閉鎖されるということなら、少々さびしいです…
ちなみに、USPTOのDBで検索してみると、Twitpic社による「Twitpic」出願は2件あるようで、2009年に出願されたものは「DEAD」(abandonmentで)になっています。なので、今回の話題となっている出願は2013年に出願されたもののように思います。
上のTwitpic社の公式ブログの記事やUSPTOのデータからすると、2009年の「Twitpic」出願は「Twitvid」やら「Twitc」といった先行商標でけられて Appealまでいったけど放棄されており、2013年の出願でもOA対応しながらやっと Publication にこぎつけたようです。と思ったら Twitter社からOppositionかけられて、今回の出願放棄の話はその流れの中で出たようです(以上、DB情報を精読したわけでないので違っていたらご指摘ください)。
(※どうやらTwitter社は、ここ数年、「Twit」という語を含む他社の出願はつぶすという方針のようです。
なお、参考として、Twitter社の guidelineはこちら https://about.twitter.com/press/twitter-brand-policy “Don’t apply for a trademark with a name including “Twitter”, “Tweet”, the Twitter bird, transliterations or similar variations thereof.” との一文があります。)
ところで、ご存じのように、米国の商標制度では、使用主義が採用されているので、登録しなくても使用していればコモンロー上の商標権が発生していることになります。こんなに有名なTwitpicにはコモンロー上の商標権が発生していることは明白のように思います。
では、みんな、なんで商標登録するの?
一言でいえば、権利が発生しているといっても、登録してないと色々と面倒くさいし使いにくいことが多いから。
登録の最もわかりやすいメリットは、登録してれば権利範囲が明確になって無用の争いが生じにくいというところではないでしょうか(争いが生じた場合のことを考えると、結果的に、登録した方がだいぶお得)。
もっとスマートにまとめると、以下のようなメリットがあることになります(連邦商標登録の場合)。
a) 商標に対する独占的所有権を一般に通知したとみなされ、米国全州における排他的な商標権の有効性が法律上推定される。
b) 登録商標の®シンボルを使用できる。
c) 商標権侵害を連邦裁判所に提起することができる。
d) 商標権を侵害している品が米国に輸入されるのを防ぐ権利ができる。
e) 登録後5年間継続して使用すると、商標の不可争性(当該登録商標の有効性に対して第三者が主張できる理由・根拠を制限することができる)を獲得できる。
「米国における事業進出マニュアル ~知的財産権~ 2014年1月 独立行政法人日本貿易振興機構 ニューヨーク事務所 進出企業支援部・進出企業支援課」p.8から一部抜粋http://www.jetro.go.jp/jfile/report/07001726/report_us_ip_rev.pdf
※その後のニュースでは、Twitpic社が買収されることでサービス継続となったようです。
(cnet Japan「Twitpic、買収でサービス存続へ–買収元は不明 」2014.9.22)
本日はこれでおしまい!
次回も見ていただけるならぽちっと押してくださいな(。-_-。)/
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