キューピー と AKB48 と LADY GAGA (著者さんの生コメント追記)

(※このブログを最初に公開した後に追記した内容を、緑字にしています。)

先週半ば辺りに、キューピーさんが、キューピー人形のイラストの商標を、第13類の商品「銃砲、銃砲弾、火薬、爆薬、火工品及びその補助器具、戦車」指定して出願したということが、ネットで話題になっていました。

そして、どういうわけだか、キューピーさんのtwitter アカウントが、ネット民の反応に対して、こんなtweetを…

区分13での商標出願につきましては、このような区分の製品にキユーピーのイラストが使われないようにするための守備固めでございます。決してマヨネーズ砲とか、そういうものの視点ではないです(笑)

あまりにもっともらしいコメントなので、多くのネット民は、「なるほど」「たしかに」と思ったようでした。

…という経緯について、詳しくはこちら→ http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1502/23/news153.html

っていうか、なぜに 偽アカウント!?

しかも、偽コメントが、本物のキューピーさんの本物の回答の主旨と概ね同じだ(汗)
商標出願の理由についてあらためて確認したところ、「弊社の意図しないかたちで使われないよう幅広い区分で登録しています」との回答が得られました。

さて。

このように、企業さんが、自社の商標のイメージを損なわないように予防線を張って幅広い区分で登録することは、G-Shockの例をはじめ、よく見られる現象です。
(ここでは、不使用の面からの是非については、敢えて置いときます。)

そのような現象の一つとして、ここで言及しないわけにはいかない事例が一つございます。

それは、これ。  #IPDLに固定リンクを

防護標章出願です。もちろん、本家芸能プロが出願人さんです。

なんで ひろた がこの事例を知っているかというと、べ 別に、その指定役務に興味があるからじゃないよ!
べ、別に、休み時間にコソコソ調べたわけじゃないよ!

愛読書に取り上げられとるからだぉ!    
(なぜ必死に言い訳?)

愛読書↓↓↓ (毎度ながら…ですが、電車などパブリックな場で読むときは、マスクなどで顔を隠しましょう。)

それどんな商品だよ! 本当にあったへんな商標 (文庫ぎんが堂)
クリエーター情報なし
イースト・プレス

ちなみに、防護標章出願するからには、そのもとになる登録商標が要りますが、この件のもとになった登録商標(第5036135号)は、広範囲の商品・役務を指定しており、
第9類「録音又は録画済みのCD-ROM,DVD-ROM」「ダウンロード可能な着信音,インターネットからダウンロード可能なデジタル音楽」系の商品や、
第41類「音楽ライブコンサートの企画・運営又は開催」系の役務など
が含まれています。

しかし、この「AKB48」の防護標章出願は、残念ながら、拒絶査定が確定しているようです。

拒絶… ということで、防護標章登録の要件を定める64条をみると、
“登録商標が自己の業務に係る指定商品/指定役務を表示するものとして需要者に周知であること”
“他人が登録商標の使用をすることによりその商品/役務と自己の業務に係る指定商品/役務とが混同を生ずるおそれがあること”
を要求しています。

どこが引っ掛かって拒絶になったんでしょうか?

ロゴ商標だから周知性が認められんかった?
(通常書体の文字だったら周知性認められた?) (ちなみに標準文字で商標登録しているのもある)

それとも、Lady Gaga事件のように、「AKB48」という語が著名だからゆえに、品質表示的とされて、「指定商品・役務を表示するもの」と認められんかった?(でも、ロゴ商標なので、どうなんだろう?)

それとも、他人が第45類の「個室における~」に使っても、出所の混同は生じんと判断された?

…などなど、謎は深まるばかりです。     

(↑包袋取り寄せれば一発でとける謎だけどね)


追記: この謎について、著書の友利さんからコメントが。

『拒絶になったのは、個室接触役務(←略した)と混同のおそれなしってことじゃないかなぁと思ってます。
出所の混同は絶対起きないと思う。』

そうか~ 
でもね、「AKB48」*「ピ○サロ」で検索すると、メンバーの名前が結構ヒットするんだ。(←そーゆーことじゃないか)

⇒さらに友利さんから反論&コメント

『アイドルが売れなくなって、AV女優や風俗業に転身するということはたまにありますが(実際AKB出身のAV女優も既にいますし)、
それは、完全にアイドル引退→プロダクションを移籍してこそ出来る転身だということは顕著な事実だと思うので、
出所の混同ということはないと思います』

そっか!(汗 
個室接触役務の需要者層が出所混同するわけないか…
(需要者層については、宮脇先生の論文を参考 :  http://www.inpit.go.jp/content/100126269.pdf )

『ただし、個室接触役務の需要者は、出所の混同はしたい(もしかすると本物…と夢を見たい)かもしれないですけど』

…何の議論をしとるのか、ちょっとわからんくなってきました笑

そして、これって、防護標章出願でなく、ふつうの商標出願なら、登録できるのかな?(本家芸能プロが出願するとして)
もし登録できるとしたら、そっちで予防線が張れるような気がしないでもないね…

友利さんのコメント
『普通の出願だったら通ったでしょうし、キューピーさんしかり普通はそう手当するでしょう。
しかし、この事案は、役務が役務だけに、「いつオープンするんだ公式AKBピ○サロ!?」とファンがざわめかないように、「使用はしない」アピールで防護で出願したのでは!?』

そ、そんな深い意味があったのか… さすがの慧眼におみそれいたしました。

この事案、色々考えさせられる 好例 ですね。  

なお、念のために、「AKB48」っていう名前の それ系のお店 がないか、検索しときましたよ。  
念のためにね。 あくまで、念のためにだよ!  
(今のところ、ないような感じ…)

追記: 研究熱心な友利さんのことなので、もちろん検索しただろうと思い、伺いました。

友利さんのコメント 
『「AKB48手」という店があるに違いないと踏みましたが、見つかりませんでした』

 Σ(゚Д゚; はっ… 
そこまで考えて研究していたとは… 
ふ、深い…  脱帽しました


今日はこれでおしまい!

次回も見ていただけるならぽちっと押してくださいな(。-_-。)/
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