記念日のトレードマーク

<平成17年(行ケ)第10741号 審決取消請求事件>(判決文はこちら

 先週の金曜日は、あいぎ特許事務所のある女性所員のお誕生会でした。
 そのとき写した写真がありますが、うさぎちゃんのようにかわいくて狙われそうでヤバイので(?)、一般には非公開にしときます。
 他の女性所員の写真もありますが、とても変な顔で勝手にアップすると本人に怒られそうですので(?)、これも非公開。

 ところで今回は、誕生日ではないですが、記念日がらみの商標に関する事件です。争いの対象となった商標はこれです;

 「14 March=π(Pi. Pie)Day
  (3.14)


 この商標が何を表しているかわかりますか?指定商品は「菓子及びパン、即席菓子のもと」です。
 この商標の意味については、後ほど裁判所の解説(?)で明らかになります。 

 なお、前提として、この登録商標に対して無効審判が請求されていました。
 無効審判では、
 「3.14=π(パイ)の日
 という引用商標と類似するとして、指定商品中の「パイ」については登録が無効となりました。
 一方、その他の指定商品(ケーキとかプリンとか、パンとか…)については、引用商標と類似せず、また「商品の品質を誤認させるもの」でもない、として無効になりませんでした。
 そこで、請求人は、この審決を不服として裁判を起こしたわけです。

 裁判所は、上記争いの対象となった商標が「商品の品質を誤認させるもの」か否かについて、以下のように判断しました。
 『14 March
の部分が3月14日を表すことは明らか。また、「π(Pi. Pie)Day」のうち「πは円周率(3.14)を意味し、Dayが日を意味するものと理解できる。また、「π」「Pi」「Pie」はいずれも「パイ」と称呼され、「Pie」はパイ菓子又はパイ料理を意味する英語としてよく知られている。したがって、本件商標全体から「3月14日が菓子のパイの日である」ことも想起し得るというべき。~
 パイ菓子は、ホワイトデーの贈り物としてそれほど一般的だとはいえないが、贈り物として販売される場合は、他の菓子類、即席菓子のもと、パン類等とともに販売される可能性が高いことは、その性質上当然である。~
 ホワイトデーの贈り物として菓子類やパン類を求めにきた需要者は、本件商標に接した場合、その内容、品質がパイ菓子であって、他の種類の菓子やパンでないと認識するのが自然である。すると、本件商標が、パイ菓子以外の「菓子及びパン、即席菓子のもと」に使用された場合には、需要者はその品質、内容がパイ菓子であると誤認するおそれがある

 …あの商標、「3月14日が菓子のパイの日である」という意味だったんですね…。そのように認識するのが自然である、ってことですか。そのように理解できなかった私って…

 それでは今日はこの辺で。
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