期間徒過後の回復要件が「故意によるものでないこと」へ緩和します
期間徒過後の救済規定に係る回復要件が「正当な理由があること」から「故意によるものでないこと」に緩和されます。
令和5年4月1日から、期間徒過後の救済規定に係る回復要件が「正当な理由があること」から「故意によるものでないこと(以下、「故意でない基準」という。)」に緩和されるとともに、回復手数料の納付が必要になります。
▼詳細は特許庁HPをご覧ください。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/kyusai_method2.html
期限徒過後の手続きの救済要件
・令和5年4月1日以降に手続期間を徒過した手続であること・手続をしなかったことが故意によるものでないこと
・救済手続期間(期間徒過後の手続ができるようになった日から2月以内かつ手続期間の経過後1年以内*)に手続をすること
*優先権の主張については、救済手続期間が別途規定されていますので、特許庁HPをご確認ください。
・手続と同時に、手続をすることができなかった理由を記載した回復理由書を提出すること
・回復手数料を納付すること*
特許:212,100円、実用新案:21,800円
意匠:24,500円、商標:86,400円
*手続期間内に手続をすることができなかった理由について、手続をする者の責めに帰することができない理由があり、かつ、その事実を証明書により確認できる場合は、回復手数料が免除されます。
・出願審査の請求を遅延させることを目的とするものではなかったこと(出願審査の請求につき回復理由書を提出する場合)
なお、出願人等が手続をしないと判断して所定の期間を徒過した後、期間徒過後に状況の変化などを理由に救済手続をすることとした場合は、手続をすることができなかった理由が「故意によるものである」と判断され、救済が認められない可能性があります。
故意によるものでない期間徒過後の救済規定の対象となる手続きは、以下の通りです。
◆特許
(1)外国語書面出願の翻訳文の提出(特許法第36条の2)(2)特許出願等に基づく優先権主張(特許法第41条)
(3)パリ条約の例による優先権主張(特許法第43条の2)
(4)出願審査の請求(特許法第48条の3)
(5)特許料及び割増特許料の追納(特許法第112条の2)
(6)外国語でされた国際特許出願の翻訳文の提出(特許法第184条の4)
(7)国際特許出願における在外者の特許管理人の選任の届出(特許法第184条の11)
◆実用新案
(8)実用新案登録出願等に基づく優先権主張(実用新案法第8条)(9)パリ条約の例による優先権主張(実用新案法第11条で準用する特許法第43条の2)
(10)実用新案登録料及び割増登録料の追納(実用新案法第33条の2)
(11)外国語でされた国際実用新案登録出願の翻訳文の提出(実用新案法第48条の4)
(12)国際実用新案登録出願における在外者の実用新案管理人の選任の届出(実用新案法第48条の15で準用する特許法第184条の11)
◆意匠
(13)パリ条約の例による優先権主張(意匠法第15条で準用する特許法第43条の2)(14)意匠登録料及び割増登録料の追納(意匠法第44条の2)
◆商標
(15)商標権の更新登録の申請(商標法第21条)(16)後期分割登録料及び割増登録料の追納(商標法第41条の3)
(17)防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新登録の出願(商標法第65条の3)
(18)書換登録の申請(商標法附則第3条)
要件が緩和されるとは言え、救済が認められない場合もありますので、従来通り、期限を徒過しないように手続を行うことが肝要となります。
もし特許庁への手続きでお困りのことがございましたら、ぜひ弊所 弁理士までご相談ください。