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【台湾商標】加速審査制度(早期審査制度)が導入されました

2024.07.23
台湾において2023年5月に成立した商標法改正が、2024年5月1日に施行されました。

この改正の目玉が、加速審査制度(早期審査制度)の導入であり、下記の類型1または類型2に該当する場合には、加速審査を申請することができるようになりました。

類型1:
指定商品・役務の「全て」について、実際に使用し、又は使用の準備を相当程度進めている場合。

「実際の使用」とは、台湾の領域内で商標法第5条を満たす方法で商標を使用することをいいます。また、実際には商標を使用していない場合でも、出願人が「使用の準備を相当程度行っている」場合、加速審査適用の要件を満たします。
後者の場合、出願人は、使用を準備している商標について、準備の時期、商品・役務、マーケティングチャネル、場所等を具体的に示す必要があります。例えば、商品又は役務のサンプル、広告物、宣伝印刷物の注文書、広告契約、ビジネスプランなどを証拠とすることができます。

類型2:
指定商品・役務の「一部」について、実際に使用し又は使用の準備を相当程度進めており、かつ商業上権利を取得する必要性及び急迫性がある場合。

「権利を取得する必要性及び急迫性」には、以下の場合が含まれます。

1.  当該商標を第三者が同意を得ずに使用し又は使用の準備を相当程度行っている場合。
2.  当該出願商標の使用により、第三者から商標権侵害の警告を受けた場合。
3.  第三者から当該出願商標について使用許諾を求められた場合。
4.  当該出願商標の市場での使用が計画されており、かつ提携企業との間で、販売又は代理販売等に関する契約を締結した場合。
5.  当該出願商標の展示会への出展を計画しており、かつ出展者との関連契約を締結した場合。
6.  その他商業上、権利を取得する必要性及び急迫性があると認めるに足る場合。

<その他の要件>
◆使用商標が出願商標と「完全に同一」であること
◆実際に商標を使用していることを証明する証拠が、指定商品又は役務と合致していること
◆出願から、知的財産局から最初の審査通知が発せられるまでの期間中に、加速審査の申請書を提出すること

<申請の効果>
加速審査の要件を満たす出願については、原則として2ヶ月以内に商標局から最初の審査通知(例:登録査定又は手続補正指令、拒絶理由通知)を受け取ることができます。

<日本の商標早期審査制度との主な違い>

◆各区分ごとに6,000新台湾ドル(約29,000円 2024年7月現在)の手数料の納付が必要です。
◆日本では、新しいタイプの商標(動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標及び位置商標)及び立体商標の一部は、当面の間、早期審査制度の対象外となっていますが、台湾の加速審査制度は、立体、色、匂い、音又は連続図形などの非伝統的商標も対象としています。ただし、出願商標がこれら非伝統的商標である場合には、加速審査の要件を満たしていても、知的財産局が短期間で審査を行うことができない可能性があるとのことです。

ご関心のある方は、どうぞお問い合わせください。


ソース:
理律法律事務所 ニューズレター 06/12/2024