【韓国特許・意匠・商標】権利付与の迅速化の動きが続々と
- 2025.02.11
韓国において、ここ何か月かの間に、知的財産の権利付与の迅速化に向けた改正や変更が次々と行われていますのでお知らせします。
【特許及び意匠】拒絶査定不服審判の手続の改善
特許審判院は、2025年1月から、特許出願とデザイン登録出願の拒絶査定不服審判の際に、特許(登録)査定が妥当であり、追加の争点がない等と判断される場合、審判官が審決として特許(登録)査定を発行するように手続きを変更し、直ちに施行しているとのことです。
変更前は、拒絶査定不服審判において審判請求理由が認められた場合には、審査局に差し戻され、原審査官が再度審査をしていたため、特許(登録)査定が出るまで時間がかかっていました。
審判官が審決として特許(登録)査定を出せることになったことにより、権利付与までの時間が約1~2か月短縮される見込みです。
【商標】異議申立期間の短縮
商標の異議申立期間の短縮を骨子とする商標法の一部改正案が、2024年12月27日に韓国国会を通過しました。
改正により、現行2ヵ月である商標の異議申立期間が30日に変更されます。これにより、商標登録出願の審査期間が短縮され、出願人が早期に権利を確保できるようになることが期待されます。
上記改正案は、2025年1月21日に公布され、公布日から6か月が経過する日(2025年7月21日)に施行される予定です。なお、改正は施行日以降に出願公告される案件に適用される予定です。
異議申立期間が短縮されることにより生じる弊害が心配されますが、出願された商標の情報は早期に公開されており、第三者は、公開情報に基づき、審査期間中から情報提供を行うことができること、異議申立理由の補充期間の延長(30日)制度も設けられていることから、第三者が情報提供、または異議申立を行うことができる期間は、事実上、従前と変わらないとのことです。
[ソース]
Bothwin Patent and Law Firm 2025.1.9付けニュースレター
Bothwin Patent and Law Firm 2025.2.6付けニュースレター