実際、中小・ベンチャー企業、スモールショップには辛かった

　今までは、正直言って、中小・ベンチャー企業さん、スモールショップさんにとって、商標にかける初期投資は結構な出費になっていたと思います。
　一度登録されれば、基本的に１０年間維持できるので、月割りにしたらたいしたことはないかもしれません。しかし、例えば登録料は１区分６６，０００円なので、３区分指定したらあっという間に２０万近くかかります。しかも、商品としては１つなのに、色々な原材料で作れるために３区分にしないと適切な保護が図れないといったケース等は、こちらが申し訳なくなるような変な気に。
　予定では、登録料は１区分３７，６００円になるとのこと（案）。

　また、更新登録料も、１区分１５１，０００円だったのが、大幅に値下げされ、４８，５００円になるとのこと（案）。これは大きいです。
　
　商標（ブランド）の価値自体が何億円という大企業さんにとってはどうってことないんでしょうけど、中小・ベンチャー企業さん、スモールショップさんには、これらの値下げは朗報です。

　特に更新登録料の値下げは大きいです。
　今まで額が高かったのは、実際に使っていない商標を淘汰させようという狙いからでした。この理由自体は納得できます。不使用でも登録になっていると、本当に使いたい商標を他の人が出願しても、それを引用されて拒絶されたりする弊害がありますので。

　でも、実際に使っていて商売に欠かすことのできない商標になっているとしても、今までの更新登録料では、中小・ベンチャー企業さんやスモールショップさんが費用を捻出するのはそれほど簡単ではなかったと思います。そういう方にはとても有り難いと思います。

　一方、値下げをすることで、全く使う気がなくても登録を維持させやすくなると思うので、この弊害を防止する対策が必要でしょうね…

　いずれにしろ、真っ当な権利を真っ当に使っている中小・ベンチャー企業さんやスモールショップさんにとっては、嬉しいニュースに違いありません。