想像力をたくましく?

 トラ戦の前になんで負けるんや~!
 
 さて、昨日の続きです。

 お題は、
 『どこら辺が“商品の品質を誤認させる”のボーダーラインになるのか?』
 でした。

 “商品の品質を誤認させる”かどうかは、ネーミングがある商品・役務の特性を表示していて、その商品・役務と指定商品・指定役務が直接関係があるときに、誤認を生じるおそれがあります。
 
 では、商品・役務と関係する範囲とは?

 網野誠先生の「商標」によると、
 『同一系統の商品・役務である』とか、『材料・用途・外観・製法・販売系統を共通する』
 とされています。
 これについて、小野昌延先生は、「注解 商標法」の中で、
 『概ね「商品・役務の類似の範囲」といってよいであろう』
 と仰っております。

 じゃあ、「Apple」というネーミングを、
 商品「豆腐」につけたら?
 商品「石鹸」につけたら?
 サービス「飲食物の提供」(飲食店)につけたら?

 まず、商品「豆腐」なんですが、「豆腐」といえば、こんな審決がありました
 『商品「豆腐」に「トフィー」というネーミングは品質誤認になる!』。
 なぜなら、「トフィー」はキャラメル又はキャラメル風の菓子の普通名称として一般的で、「トフィー」を使用すると、キャラメル等が利用されていると誤認が生じるおそれがあるから。

 はあ。そんな豆腐、食べるの結構勇気がいりそうですが。
 
 この審決の論理からすると、
 『りんごを材料に利用していると誤認が生じるおそれがあるから、商品「豆腐」に「Apple」というネーミングは品質誤認になる!』
 ということになるのでしょうか。

 品質誤認になりそうかどうかは、「誤認のおそれ」があれば足りるので、想像力をたくましくすることがポイントです(?)。

 では次に商品「石鹸」です。
 りんご(Apple)と「石鹸」って…
 よもやりんごを石鹸の材料に使うという可能性は?
 あるかも…香料的にとか。
 でも、ボーダーラインだと思うので、チャレンジしてみたい感じですね。
  
 最後に、サービス「飲食物の提供」です。
 りんご(Apple)と「飲食物の提供」…
 ビミョーですね。りんご料理専門店と誤認されそう?
 ダメ元でチャレンジしてみる?
 ちなみに、実際に登録されているのを見てみたら「図」付きです。

 そうはいっても、そのネーミングが実際に世間に浸透していたりすると、“品質誤認のおそれなし”とされたりすることがあります。
 例えば、指定商品「清涼飲料」(茶、紅茶以外)として「Afternoon Tea」を出願したケースです。
 それまでに出願人の「Afternoon Tea」というお店が結構有名になっていて、そのお店でコーヒーとかジュースとか色んな飲み物を出してきた事実があったので、それが勘案されて『品質誤認のおそれなし』とされました(H14(行ケ)第596号)。

 う~ん、すると、ポイントは、
 ・想像力をたくましくすること、
 ・でも、誤認させないような使用の事実があればそれが効く可能性あり、
 といったことでしょうか。

 そうかもね、と思われた方、
 ↓↓↓
 
                                           
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