懐かしの名機:パチスロ「リノ(Reno)」

 商標ネタの前にドラネタを一つ。
 昨日、なぜか事務所に中スポが置いてありました。一面にデカデカと「岩瀬200セーブ達成」の記事が載っていたので「これ要らないなら、もらおうかな~」と思っていたら、もう一人のドラキチがかっさらって行きました。泣く泣くお譲りいたしました(悔)。
 でもドラゴンズ昨日もまた負けた…。これについては何も語りたくありません。

 さて、昨日の商標ネタの続きです。
 パチスロ「リノ」の事件は商標権違反モノ(刑事モノ)でございました。

 事件の概要をすご~く簡単に述べると、
 『リノの製造メーカだったN電子が、(株)シャープの汎用CPU「Z80型 製品番号LH0080B」で検定を受けたが、その後、(株)シャープのカスタムIC「Z80型 製品番号LZ841707」を使用して検定基準より射幸性の高い製品に改造した。このカスタムICは、シャープからの出荷段階では「IZAC LZ841707」が印字されていが、N電子が入手するまでに印字部分が改ざんされて「LH0080B」の印字と「SHARP」の標章が付されていた。で、この「SHARP」標章が、登録商標第1111378号「SHARP]の商標権侵害となるかどうかが問題となった。

 でしたよね。

 地裁では無罪(商標権侵害でない)とされたけど、高裁で引っくら返されて有罪(商標権侵害)とされたのでした。

 で、最高裁(平成8年(あ)第342号)では…
 やっぱり有罪(商標権侵害)と判断されたのでしたのでしたね。
 判決の要旨はこんな感じ。
 『商標の付された電子部品がいわゆるパチスロ機の構成部分である主基板に装着された場合において、右商標はパチスロ機の外観上は視認できないが、パチスロ機の流通過程において、元の外観及び形態を保っている右電子部品とともに、中間の販売業者やパチンコ店関係者に視認される可能性があったなど判示の事実関係の下では、右商標は、右電子部品が主基板に装着されてパチスロ機に取り付けられた後であっても、なお電子部品についての商品識別機能を保持しており、右商標の付された電子部品をパチスロ機の主基板に取り付けて販売する目的で所持し、又は右パチスロ機を譲渡する各行為について、商標権侵害罪が成立する。
 この最高裁判決については山ほど解説が出ているので、ここではごくごく簡単なご紹介に留めておきます。
 
 ところで、よくわからんのは、裁判では、リノの改造の目的が“射幸性を高くするため”とされているところ。
 Wikipediaの記事には『N電子のノーマル機がボロかったので「ポロリンセット打法」なる攻略法が生まれ、その攻略法封じのためにホールが改造を行い、N電子はその改造に直接関与したために検定取消処分になった』旨記載されています。つまり、改造の目的は“攻略法封じ”のように読めるのですが。
 まあ、商標と直接関係のないコトですけど…。

 さて、来週は、昨日の予告どおり、リーバイスのステッチ商標事件をご紹介します。
 来週も見ていただける方、ぷちっと押していただけると嬉しいです。
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