商標新着審決【4条1項11号・10号・15号・8条系】 No.2

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 商標新着とはいえないぞー審決のご紹介、No.2です。張り切っていってみよー!

■■■商標新着審決【4条1項11号・10号・15号・8条系】

●異議2010-900080       
本件商標(登録第5290687号)
指定商品:第30類「菓子及びパン」
春のたより

引用商標1
指定商品:第30類「菓子,パン」
春便り

引用商標2
指定商品:第30類に属する商品
春便り

本件商標は引用商標1,と非類似と判断されました。
*本願商標と引用商標の類否: 『本件商標から生ずる「ハルノタヨリ」と、引用商標から生ずる「ハルダヨリ」の称呼は、語頭の「ハル」の称呼を共通にするものの、第3音目の「ノ」の音の有無と、これに続く「タ」の音の清音と濁音に相違を有するものであることから、比較的短い称呼において前記差異音は、聴者の両称呼に対する音感に与える影響は決して小さいものとはいい難く、それぞれを一連に称呼しても全体の語調、語感が異なり十分に聴別し得るものと認められる。
 そして、本件商標と引用商標とは、全体の外観において差異を有しているものと認められ、観念については、本件商標が「春のおとずれ、春の使者」程の観念を生じさせるのに対し、引用商標は「春の知らせ、春通信」程の観念を生じさせるものであるから、近似した印象を与える場合があるといえるものである。
 してみれば、本件商標と引用商標とは、観念において近似する場合があるとしても、称呼及び外観の相違点を考慮して総合的に考察した場合、両商標は、互いに類似する商標とはいえず、両商標を同一又は類似の商品に使用しても、その出所について誤認混同を生ずるおそれはないものというのが相当である。

●不服2010-2284     
本願商標(商願2008-23893)
指定役務:第36類に属する役務
天満屋カード\TENMAYA CARD

引用商標1
指定役務:第36類に属する役務
てんまや

引用商標2
指定役務:第36類に属する役務
天満屋

引用商標3
指定役務:第36類に属する役務
TENMAYA

本願商標は引用商標1~3と非類似と判断されました。
*本願商標の称呼・外観・観念の認定: 『本願商標は、…、その構成各文字は、同一の太さ、同一の大きさの文字で、上下も同一の長さで、外観上一体的に表されているものであり、かつ、その構成各文字から生ずる「テンマヤカード」の称呼も7音と冗長でなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
 そして、その構成各文字中「カード」ないし「CARD」の文字が、「プリペイドカード・クレジットカードなどの総称」(広辞苑第六版)及び「クレジットカード」等(ジーニアス英和大辞典 大修館書店発行)を意味する外来語・英語であるところ、例えば、「高島屋カード」や「三越カード」など、「百貨店名」と「カード」の文字とが一体となって、一つのクレジットカード名を表示するものとして普通に使用されている実情があることからすれば、本願商標についても、構成各文字全体として、1つのカード名称を表した一体不可分のものと理解し、認識されるものというべきである。

●不服2009-25642   
本願商標(商願2008- 34885)
指定商品:第3類「皮膚の角質除去用ジェル」

引用商標
指定商品:第3類「化粧品」

本願商標は引用商標と非類似と判断されました。
*本願商標の称呼・外観・観念の認定: 『本願商標は、…その文字全体の高さを語頭の「C」に合わせる構成態様でまとまりよく一体的に表してなるものである。
 …ところで、その指定商品との関係では、「アクアジェル」(aqua gel)の文字は、「ジェル状の化粧品」程の意を指称する語として、普通に採択使用されているところである。そうとすれば、その構成中の「Aqua Jel」の文字は、「aqua gel」の文字と「アクアジェル」の称呼を共通にするから、前記意を認識させるものと判断するのが相当である。
 してみれば、その構成中の「Natural Aqua Jel」の文字からは、全体として「天然水を使用したジェル状の化粧品」の意を認識、理解させるものである。
 しかしながら、その構成中の「Cure」の文字は、「世話、注意」の意味を有する「care」(ケア)の英語を原義(「ベーシック ジーニアス英和辞典」)とするものであるとしても、前記意味をもって、商品の品質、用途を具体的に表示するものとして直ちに認識し、把握されるものとはいい難いものであって、かつ、「角質層の手入れ用ジェル商品」に使用される「角質ケア」の語のように普通に使用されている事実は見いだせない。
 そうとすれば、本願商標は、その構成文字全体から、「ナチュラルアクアジェルキュア」の称呼及び「Cure」の文字に相応して「キュア」の称呼を生ずるものであるが、「治療薬、治療法」等の観念を生ずるものであるとまではいえないと判断するのが相当である。』
*本願商標と引用商標の類否: 『本願商標と引用商標とは、称呼においては「キュア」の称呼を共通にし、外観については明らかに異なるものであり、観念については引用商標から観念を生ずるものではないから、比較することができないものであるが、本願商標は、その指定商品の需要者間において、ある程度認識されていることを総合勘案すると、本願商標と引用商標とをそれぞれの指定商品について使用しても、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれはないとみるのが相当である。

●不服2010-8810     
本願商標(商願2009-5675)
指定商品:第3類「育毛効果を有する頭髪用化粧品,育毛効果を有するヘアートニック,育毛効果を有するヘアークリーム,育毛料」

引用商標1
指定商品:第3類に属する商品
はなさきすい\花咲水

引用商標2
指定商品:第1類「植物成長調整剤類,肥料」
花咲きCa

本願商標は引用商標1,2と非類似と判断されました。
*引用商標1の称呼・外観・観念の認定: 『引用商標1の構成中上段の「はなさきすい」の平仮名は、その構成中下段の「花咲水」の漢字から生ずる読みを特定したものと無理なく認められるものであり、該文字より生じる「ハナサキスイ」の称呼も6音と、冗長ともいえず、無理なく一連に称呼し得るものである。
 さらに、「はなさきすい」の平仮名部分及び「花咲水」の漢字部分は、それぞれ同じ大きさ、同じ書体で等間隔に書されており、一体的な印象を与えることからからすれば、たとえ、「すい」及び「水」の文字が、本願の指定商品中「化粧水」や「香水」などにおいて、該商品が液状の商品を表す語として使用されているとしても、殊更、これを省略して、前半部分の「はなさき」及び「花咲」の文字部分のみに着目し、当該文字部分より生ずる称呼をもって取引に当たるというよりも、むしろ、その構成全体をもって一体不可分なものと認識、把握し、取引に当たるものとみるのが自然である。』
*本願商標と引用商標2の商品の類否: 『本願商標の指定商品である第3類「育毛効果を有する頭髪用化粧品,育毛効果を有するヘアートニック,育毛効果を有するヘアークリーム,育毛料」及び第5類「育毛剤」と引用商標2の指定商品である第1類「植物成長調整剤類,肥料」とは、その用途、生産部門、販売部門及び需要者層を異にするものであり、非類似の商品と判断するのが取引の実情に照らし相当であるといえる。

●不服2010-6990     
本願商標(商願2008- 87070)
指定商品:第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」

引用商標
指定商品:第33類「洋酒,果実酒」
立山

本願商標は引用商標と非類似と判断されました。
*本願商標の称呼・外観・観念の認定: 『…「立山」の文字は、「富山県の南東部、北アルプスの北西端に連なる連峰。剣岳・薬師岳などと立山連峰をなす。」(広辞苑)の意味を有する地名であり、立山連峰及びその周辺地域が観光地としても広く知られているところ、本願指定商品中の果実酒等が土産品として少なからず販売されていることよりすると、取引者、需要者に商品の産地、販売地を想起させるものである。
 そうとすると、本願商標は、ややデザイン化された「立山」の文字部分を有してなるが、「立山」の文字自体は、自他商品の識別標識としての機能はそれほど強いものではないから、ややデザイン化された「立山」の文字、大きく表された稲穂の図形部分等が結合してなる本願商標にあっては、これに接する取引者、需要者をして、殊更に「立山」の文字部分に着目し、取引に資するというよりは、むしろ、その構成全体をもって理解、認識されるとみるというのが相当である。
 してみれば、本願商標より、「タテヤマ」の称呼を生ずるということはできない。

●不服2009-15446     
本願商標(商願2008- 61411)
指定商品:第16類、第18類及び第25類に属する商品

引用商標1~6

引用商標7

本願商標は引用商標1~7と非類似と判断されました。
*本願商標の称呼・外観・観念の認定: 『本願商標は、円図形を包み込むかのように外側の文字と曲線とを配した構成全体が、外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、しかも、円図形の外側に配された「porter」及び「classic」の各文字の頭文字を円図形内に大文字で「P」及び「C」と配したことから、外側の文字及び曲線と内側の円図形とがより一層緊密なものとして看者に印象付けられるものというべきである。
 そうとすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、これらの文字と曲線と内側の円図形の組み合わせの全体を不可分のものとして認識するものと解するのが相当であって、これを殊更分離し、その構成から単に内側の円図形の部分のみをもって取引に資さなければならない特段の事情も見当たらないものである。

本日は以上です!次回も見ていただけるならぷちっと押してくださいな(。-_-。)/
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※左上の画像データは名古屋市さんのご好意により提供していただきました。

この記事を読んでひろた興味を持たれた方は…

【紹介記事】
  知らないうちに、紹介記事を書いてくださっていました(1年近く前の講座ですが、たまたま発見しました)。
  2010年9月 岐阜県立城北高等学校での講座

【執筆記事】
  
「知財管理」誌 VOL.60  NO.6
  (並行輸入と商標権侵害 -並行輸入の抗弁における「同一人性の要件」及び「品質管理性の要件」-)

  「知財産管理」誌 VOL.58 NO.5
  (「腸能力」審決取消請求事件(平成19年(行ケ)第10042号 審決取消請求事件)
 
  「パテント」誌  2011.2 Vol.64
   (部分意匠に関する判例研究 -類否判断を中心に- 包装用容器事件)
  字数制限が厳しかったので尻切れトンボ気味ですが…

【関係事件】
 代理人になった事件です。負けたのでご紹介するのをためらっておりましたが、思い切って…。
 
平成18年(行ケ)第10367号審決取消請求事件
 なお、牛木理一先生のHPで紹介いただいているので(「特許ニュース」2007年6月29日号の記事です)、そちらも併せてご覧ください~(こちらのB-27の項です)。

【ZIP FM Z-TIME BIZ】
 2008/07/23 商標の話題で出演

※注意!弁理士さんや知財部門のご担当など、クロートの方へ!
  このブログでは、わかりやすくするために、正確でない表現を使ったり、はしょったり、大雑把にしてたり、…等々してますが、目くじら立てずに見逃して下さい<(   )>
  また、判例・新着審決・最近の話題は、“ホットなうちに”スピード重視でご紹介しておりますので、読み間違い・勘間違い・理解間違い・論点見逃しがあるかもしれません。疑問を感じられたらご一報いただけるとありがたく存じます<(   )>

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