商標新着審決【2012年7月】No.2

9月28日(金)にだが屋が開催されます!詳しくはこちら

医者に「激しい運動はしばらく控えてください」と言われているので、激しくない運動をこそこそやってるひろたです(え
切腹したのでお腹に負担がかかる運動は避けつつも、このままでは自慢の縦割れ腹筋がぷよぷよの横割れになってしまうーぅぅぅ…という激しい懸念が。(所長と同じカテゴリーのヒトになってしまう(汗)) 早く健康なカラダを取り戻したい!!

さて。
今日は7月の商標審決のご紹介第2弾、類似・混同系を集めてみました。張り切っていってみよー!

■■■商標新着審決【4条1項11号・10号・15号・8条系】

不服2011-19075 
本願商標(商願2009-31547)
指定商品・役務:第30類「中華そばのめん」等、第35類「中華そばのめんの小売等役務」等

引用商標2(登録第4531911号)
指定商品:第30類「穀物の加工品」等

本願商標は引用商標と非類似と判断されました。
*引用商標2の称呼・外観・観念の認定: 『…引用商標2は,別掲2のとおり,「神戸」及び「壱番館」の文字と,その間に家をモチーフにした図形を表し,これらの文字と図形の下部分には,緩やかな波線が描かれ,全体としてまとまりよく表してなるものである。
そして,引用商標2の構成中,「神戸」及び「壱番館」の文字部分から生ずる「コウベイチバンカン」の称呼も無理なく一連に称呼できるものである。
そうとすれば,引用商標2に係る構成においては,殊更後半に書された「壱番館」の文字部分に着目され,取引に資されるというよりは,むしろ,構成全体をもってその指定商品の出所を表示する商標として認識されるものとみるのが相当である。
してみれば,引用商標2は,その構成各文字に相応した「コウベイチバンカン」の一連の称呼のみを生ずるものであって,単に「イチバンカン」の称呼は生じないものである。

不服2011-19735   
本願商標(商願2010-62353)
指定商品:第33類「日本酒」
楽園

引用商標(登録第957535号)
指定商品:第33類「酒類」

本願商標は引用商標と非類似と判断されました。
*商標の類否: 『…,両商標の外観は,それぞれ上記(1)および(2)のとおりの構成からなるものであるから,「園」と「宴」の文字において明確に相違するものであり,構成全体の外観において,十分に区別できるものである。
 そして,観念については,本願商標から「安楽な場所。苦しみのない場所。楽土。極楽。パラダイス。」の観念を生ずるのに対し,引用商標からは,「さかもりや酒宴を楽しむこと,好むこと」程の観念を生ずるものであるから,観念において,相違すること明らかである。
 そうとすれば,両商標は,たとえ,「ラクエン」の称呼を共通にするとしても,上記したとおり外観及び観念において明らかに相違するものであって,これらの外観と観念の相違が称呼の共通性を凌駕するものであるから,外観,称呼及び観念を総合的に判断すると,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等が異なる商標である。

不服2011-18318         
本願商標(商願2010- 55897)
指定商品:第30類「菓子及びパン」

引用商標(登録第5035861号)
指定商品:第30類に属する商品等
蒸しやしない

本願商標は引用商標と非類似と判断されました。
*本願商標の認定: 『…「むしやしない」の文字は、「食欲その他の欲望を一時的にしのぐこと。また、そのもの。」[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]の意味を有する「虫養い」の語に通じるものと認められ、これより、本願商標の文字部分からは「一時的に空腹を紛らすこと。また、その食べ物。」の観念を生じるものといえる。また、指定商品との関係では、当該文字が商品の用途を表わす語として使用されることがあることからすれば、これらの文字は、それ自体単独では自他商品の識別力は弱いものとみるのが自然である。』
*商標の類否: 『…本願商標と引用商標は、外観において明らかに相違するものであり、共に「ムシヤシナイ」の称呼を同一とすることはあるものの、その識別力は弱いものであり、観念においては比較することができないものであるから、両商標の比較において、一の称呼の同一が他の外観における差異等を凌駕するものとはいい難く、また、両商標をその指定商品について使用した場合、商品の出所につき混同を生ずるおそれがあると認めるに足る特段の事情も見いだせない。

不服2011-22909     
本願商標(商願2010-83980)
指定商品・役務:第28類、第30類、第32類、第35類及び第41類に属する商品・役務

引用商標1(登録第2009790号)
指定商品:第30類及び第32類に属する商品

引用商標2(登録第3084064号)
指定役務:第41類に属する役務

引用商標3(登録第5314266号)
指定商品:第9類に属する商品

引用商標4(登録第5382759号)
指定役務:第35類、第36類及び第41類に属する役務

本願商標は引用商標1~4と非類似と判断されました。
*商標の類否: 『…本願商標は、前記の欧文字や各図形の要素が、まとまりよく構成されてなるものである。
 そうすると、本願商標は、単に文字と図形とを上下又は左右に単純に併記したような構成の商標とは異なり、文字部分と図形部分とが有機的な関連性を持つように構成されていることが優に認められ、全体として一種の紋章のように看取されるものである。
 そして、その構成中の「SPORTS CLUB SAGAMIHARA」の欧文字は、スポーツに関する団体の名称と看取されるから、結局、本願商標は、当該団体の紋章(エンブレム)として看取されるものというのが自然である。
 また、本願商標中の「SCS」が同じく白抜きで表された「SPORTS CLUB SAGAMIHARA」と2段に緊密な態様で横書きされていること、欧文字を3文字組み合わせて、正式な名称の略称として用いることもごく一般に行われていることからすれば、当該「SCS」は、「SPORTS CLUB SAGAMIHARA」の頭文字からなる略称として認識されるというのが相当である。
 さらに、本願商標の図形部分は、それのみで本願の指定商品又は指定役務の出所識別標識としての機能を十二分に果たすものというべきである。
してみれば、本願商標の構成中「SCS」の欧文字のみが本願商標中で強く支配的な印象を与えるものということはできず、かつ、その他の構成部分が指定商品又は指定役務の出所識別標識としての機能を果たさないということもできないものである。

不服2011-20130
本願商標(商願2010- 92923)
指定商品・役務:第9類、第14類、第18類、第25類、第26類及び第35類に属する商品・役務

引用商標(登録第4605886号)
指定商品:第3類、第5類、第21類に属する商品
レセージ\LESSAGE

本願商標は引用商標と非類似と判断されました。
*本願商標の認定: 『…その構成中の「L’」が、フランス語の定冠詞「Le」の省略形として知られることや、「mirage」が「ミラージュ」、「rouge」が「ルージュ」のように発音される例に倣えば、これは、フランス語風の読みで「レサージュ」の称呼を生ずるものである。
 また、請求人が提出した証拠(資料3ないし9)によれば、「L’essage」、「レサージュ」からなる文字は、請求人の取り扱いに係る商品「被服」等に使用する商標として使用されているものである。
 そして、本願商標は、特定の意味合いを有しないものであることから、一種の造語と認められるものである。
 そうすると、本願商標は、前記取引の実情と相俟って、フランス語風の読みである「レサージュ」の称呼をもって取引に資されるものというべきである。』
*引用商標の認定: 『…その構成中の「レセージ」の片仮名は、「LESSAGE」の欧文字の表音を表したものであるから、「レセージ」の称呼を生ずるものであり、それぞれ特定の意味合いを有しないものであることから、一種の造語と認められるものである。

不服2011-17546     
本願商標(商願2010-86144)
指定商品:第3類に属する商品
クリアプロテクト

引用商標1(登録第4507123号)
指定商品:第3類商品等
クリアプロテクター\CLEAR PROTECTOR

本願商標は引用商標と非類似と判断されました。
*商標の類否: 『…該差異音は、子音「t」を共通にするものであるとしても、前者は比較的はっきりと発音され、聴取されるのに対し、後者は語尾音「タ」の母音「a」を長くのばす長音を伴うことからなめらかに発音されるものといえる。
 してみれば、この差異音が両称呼の全体に及ぼす影響は決して小さなものとはいえず、それぞれを一連に称呼するときは、その語調、語感が相違したものとなり、互いに聴き誤るおそれはないというのが相当である。

不服2011-650045  
本願商標(国際登録第1018653号商標に係る国際商標登録出願)
指定商品:第12類「Motor vehicles and parts thereof included in this class.」
ActiveE

引用商標1,2 (登録第1295408号の1,登録第1295408号の2)
指定商品:(引用商標1)第12類「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」等、(引用商標2)第12類「自動車並びにその部品及び附属品」
アクティブ

引用商標3,4 (登録第4249125号,登録第4998956号)
指定商品:第12類「自動車並びにその部品及び附属品」等
ACTIVE
ACTIVE/アクティブ

本願商標は引用商標1~4と類似と判断されました。
本願商標の認定: 『…「Active」の文字と「E」の文字とを結合することにより、その構成全体をもって特定の親しまれた意味合いを理解・認識させるものとはいい難く、これを常に一体不可分のものとして把握しなければならないとするような格別の事由は見出し得ない。
 そうすると、本願商標は、その構成中の「Active」の文字部分に強く印象を留め、該文字部分をもって、商取引に資されることも決して少なくないものとみるのが相当であり、該文字に相応して、単に「アクティブ」の称呼及び「自ら進んで行動するさま。活動的。」の観念を生ずるものというのが相当である。

不服2011-20521           
本願商標(商願2010- 52028)
指定商品:第30類「菓子及びパン」
Little」(標準文字)

引用商標(登録第5054764号)
指定商品:第30類「菓子」
Little i」(標準文字)

本願商標は引用商標と類似と判断されました。
*商標の類否: 『…相違する点は引用商標の構成中1文字分スペースを空けて表された語尾の「i」の文字の有無にすぎないから、その外観は相当程度共通し、受ける印象も相当程度近似しているものといえる。
 称呼については、語尾の「アイ」の有無に差異を有するとしても、語頭からの3音「リトル」の部分を共通にするものである。』
…引用商標を一体のものとした上で、本願商標と引用商標とが類似の商標である…

不服2011-11808       
本願商標(商願2010-17791)
指定商品:第30類「豆を主材料とする菓子」

引用商標(登録第521733号)
指定商品:第30類「菓子(甘栗・甘酒・氷砂糖・みつまめ・ゆであずきを除く。)」等

本願商標は引用商標と類似と判断されました。
*本願商標の認定: 『…構成中の「豆」の文字部分は、その指定商品が「豆を主材料とする菓子」であることからすれば、商品の品質、原材料を表示する部分であると直ちに看取、理解されるものである。
 さらに、本願商標は、その構成文字全体として、特定の観念を表す語として広く一般に認識、理解されているとは認められず、これらを観念上常に一体不可分のものとして把握するべき特別の事情も見いだせない。
 そうとすると、本願商標は、その構成中「まりも」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められ、該文字部分に相応して「マリモ」の称呼及び「まりも」の観念を生じるものとみるのが自然である。

不服2011-18860      
本願商標(商願2011-13038)
指定役務:第39類、第43類及び第44類に属する役務

引用商標1(登録第3209507号)
指定役務:第42類に属する役務

引用商標2(登録第4886804号)

指定役務:第43類に属する役務

本願商標は引用商標1,2と非類似と判断されました。
*本願商標と引用商標1の類否: 『…本願商標は、2つの円図形とハート型図形からなる人をモチーフにしたものといえる場合があるのに対して、引用商標1は、「う」の字様図形を左右対称に表したものと認識されるから、その表現方法は明らかに異なるものであり、…
*本願商標と引用商標2の類否: 『r…本願商標は、2つの円図形とハート型図形からなる人をモチーフにしたものといえる場合がある図形商標のみからなるのに対し、引用商標2は、2つの円図形とV字様ハート図形からなる大きく描かれた図形部分と、星形図形と文字とを組み合わせてなるから、両者は外観において明らかな差異を有するものである。』『…本願商標と引用商標2の大きく描かれた図形部分とは、本願商標は、2つの円図形とハート型図形の内部をハート型図形で白抜きされ、円図形とハート型図形は少し隙間を空け配置されているものであるのに対して、引用商標2は、2つの円図形とハート型図形の内部を「V」の字で白抜きされ、円図形とハート型図形は密着するように配置されているものであるから、その表現方法は明らかに異なるものであり、…

不服2011-20871     
本願商標(商願2010-2511)
指定商品:第6類「配電材又は負極材用の銅箔及び銅合金箔」
HPF」(標準文字)

引用商標(登録第5069433号)
指定商品:第14類「貴金属」等

本願商標は引用商標と非類似と判断されました。
*商品の類否: 『本願商標の指定商品「配電材又は負極材用の銅箔及び銅合金箔」は、埋蔵量・産出量が多く、精錬が簡単な金属であるベースメタルに分類される銅を主な原材料とし、配電材及び電池の負極材を製造するための専用部材として、主に非鉄金属メーカーにより生産され、フレキシブル配線板やリチウムイオン二次電池などの製造業者へ販売されるものであり、フレキシブル配線板やリチウムイオン二次電池などの製造業者を需要者とするものである。
 他方、引用商標の指定商品中の「貴金属」は、産出量が少なく、貴重な金属である金・銀・白金などをいい、装飾品のほか工業製品の部材としても用いられものではあるが、銅と比べて高価であるため「配電材又は負極材用の部材」としては用いられていないものであり、主に貴金属専門の製造業者(貴金属装身具製作技能士等)において装飾品などに加工・製造され、宝石店などを通じて一般消費者に販売されることが多いものであるから、主に一般消費者を需要者とするものである。
 そうとすると、本願商標の指定商品「配電材又は負極材用の銅箔及び銅合金箔」と引用商標の指定商品中「貴金属」は、原材料、品質、用途、生産部門、販売部門及び需要者を異にするものであり、完成品と部品との関係にもなり得ないものである。

本日は以上です!また見ていただけるならぷちっと押してくださいな(。-_-。)/
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ちっちゃいことでも。
 
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※左上の画像データは名古屋市さんのご好意により提供していただきました。
この記事を読んでひろた興味を持たれた方は…

【執筆記事】
  
  「知財管理」誌 VOL.62 NO.3
  (外部向け企業活動の名称に関する検討・考察(商標法第4条第1項第7号を中心として -「出版大学」審決取消請求訴訟事件-)
 
  「知財管理」誌 
VOL.60  NO.6
  (並行輸入と商標権侵害 -並行輸入の抗弁における「同一人性の要件」及び「品質管理性の要件」-)

  「知財産管理」誌 VOL.58 NO.5
  (「腸能力」審決取消請求事件(平成19年(行ケ)第10042号 審決取消請求事件)
 
  
「パテント」誌 2011.2 Vol.64
(部分意匠に関する判例研究 -類否判断を中心に- 包装用容器事件)
  字数制限が厳しかったので尻切れトンボ気味ですが…

【関係事件】
 代理人になった事件です。負けたのでご紹介するのをためらっておりましたが、思い切って…。
 
平成18年(行ケ)第10367号審決取消請求事件
 なお、牛木理一先生のHPで紹介いただいているので(「特許ニュース」2007年6月29日号の記事です)、そちらも併せてご覧ください~(こちらのB-27の項です)。

【紹介記事】
  知らないうちに、紹介記事を書いてくださっていました(かなり前の講座ですが、たまたま発見しました)。
  
2010年9月 岐阜県立城北高等学校での講座

【ZIP FM Z-TIME BIZ】
 2008/07/23 商標の話題で出演

※注意!弁理士さんや知財部門のご担当など、クロートの方へ!
  このブログでは、わかりやすくするために、正確でない表現を使ったり、はしょったり、大雑把にしてたり、…等々してますが、目くじら立てずに見逃して下さい
   また、判例・新着審決・最近の話題は、“ホットなうちに”スピード重視でご紹介しておりますので、読み間違い・勘間違い・理解間違い・論点見逃しがある かもしれません。さらに、原文が外国語のものも、読み間違い・勘間違い・理解間違い・論点見逃しがあるかもしれません。 疑問を感じられたらご一報いただ けるとありがたく存じます

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