商標

【カナダ商標】登録官主導の不使用商標取消のパイロットプログラムがスタート

 カナダ知的財産局(CIPO)は、2025年1月に、未使用商標に対する積極的な対応を行うパイロットプログラムを開始しました。このプログラムでは、商標登録官が、無作為に抽出した商標登録に対し、商標法第45条に基づく通知(セクション45通知)を送付します。

 カナダ商標法第45条では、登録官が職権で、登録商標の権利者に対し使用証拠の提出を要求することが認められています。この要求に対し、権利者が、過去3年以内のカナダ国内における十分な使用証拠、又は不使用の正当な理由を示せなかった場合、登録が取り消される可能性があります。
 CIPOは、このパイロットプログラムは、登録商標のうち、使用されていないものがどれくらいあるかを把握するのに役立つとしています。

 背景には、2019年の法改正により、出願時の使用証拠の提出義務をなくして以降、商標出願及び登録の件数が増加していることがあると思われますが、今回、CIPOは、使用されている商標、しかも、登録されている商品/サービスについて使用されている商標が、正確に登録簿に反映されている状態があるべき姿である、すなわち、未使用商標が登録されていることにより、新たに商標登録を目指す企業の障害となり、それらの企業に異議申立等の負担を強いることになるのは望ましくない、との姿勢を明らかにしました。

 所定の期間が経過後、このパイロットプログラムに関する種々のデータはCIPOのウェブサイトで公開される予定です。それと共に、第三者による不使用取消請求に関するデータとの比較も行われます。それらデータの比較検討を踏まえ、本パイロットプログラムを継続するべきか否か、そして継続する場合には、特にターゲットにすべきタイプの登録が有るか否か、等の検討が行われるとのことです。


詳しい情報ついては、CIPOのウェブサイトをご参照ください。