めちゃんこローカルな地名の識別力

 職場に着いたらまずドラゴンズのブログ(ドアラ的なブログ)をチェックするのが日課になりつつあります。
 今日の一言ドラコメントでした。

 さて、突然ですが、あいぎ特許事務所の「あいぎ」って何のことかご存知ですか?
 愛知県と岐阜県の方はわかったと思いますが、「愛」「岐」です。
 「愛岐道路」という道路まであるんですよ。

 こんなローカルな、地元の人しか知らないような地名って、商標的に識別力があるのでしょうか?
 
 商標の審査基準(3条1項3号)を見てみると、
 「~著名な地理的名称(行政区画名、旧国名~を含む)、著名な商店街、~等は、原則として、商品の産地若しくは販売地又は役務の提供の場所(取引地を含む。)を表示するものとする。」
 となっています。

 著名…ですか。著名な地名なら原則的に識別力がない、と。
 
 例えば、実際に審判で争われた例ですが、「天竜市」といったらどこの地名かわかりますか?

 静岡県西部の天竜川の谷口に位置する市です。

 争いとなった商標は「天龍」「TENRYU」の文字を上下二段に横書きに書してなるもので、医療用器械器具などの医療関係の商品(第10類)を指定していました。
 
 これが、審査では、
 『「天竜市」を直観する『天龍』の文字と『TENRYU』の文字とを普通に用いられる方法で書してなるから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の産地・販売地を表示するにすぎない
 として -つまり、識別力なしとして- 拒絶査定となりました。

 審判では、
 『「天竜市」が、わが国において、全国的に著名な自治体として知られているものとは認め難く、本願商標から、直ちに、静岡県西部、天竜川の谷口に位置する「天竜市」を認識するとはいい得ないものである。
 などとして、識別力あり!と認められたのでした(拒2002-7038)。

 それで商標が登録されるのは嬉しいけど、地元の人としては何だかちょっと複雑な気分…ですね。

 「あいぎ」も「愛岐」だとは認識されなかったのでしょうね…
 というか、「愛岐」と認識されたとしても、これ自体、東京の人(特許庁の人)から見たら造語っぽいですか。
 さらに、そもそも平仮名なので、造語感たっぷりですね。

 さて、最近は合併で新しい地名がたくさん出来たので、著名になる前に出願するのがねらい目でしょうか?
 (あ、責任は持ちません。悪しからず)

 自分の地元の地名はどうだろう?
 と脳裏をよぎった方はぷちっと押していただけると嬉しいです。
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