かに道楽 と ヤマサブランド

昨日、中小企業さん向けの「商標亭ブログ別邸」の記事を更新してました。こんなトラブル事例も挙げてました。
ずっと使っている商標なら安心?~他人の商標権を気にしなかったばっかりに!
知財業界の皆さんにとっては、河童に水練ですね (・Θ・)★
 
そしたら、ちょうど「かに道楽」の商標のニュースが入ってきました。
 
経緯としては、我が愛知県では有名な老舗練り物会社のヤマサさんが、冬季限定で「かに道楽」という商品名のかまぼこを販売していたところ、大阪のかに道楽さんが、その名称使用の差し止めを求めて訴訟を起こしていた、というもの。
「かに道楽」商標権バトル勃発 「道頓堀のシンボル」の“敵”は愛知のかまぼこ……どっちに軍配? ITmediaニュース 2016年11月18日記事
そして、昨日のニュースでは、両社の間で和解が成立したとのこと。
「かに道楽」商標で和解、愛知の老舗「ヤマサちくわ」が販売取りやめ 大阪地裁  産経WEST 2017年1月4日記事
 
 
判決が出てないので、かに道楽さんが商標権だけで争ったのか、不競法も併せて争ったのかわかりませんが(推測するに、たぶん併せ技じゃないかな、とは思うけど)、商標権だけに着目すると、かに道楽さんが商品「かまぼこ」について登録している「かに道楽」商標は、第2606211号と第5689226号の2件かな?
第2606211号は1990年出願ですがちょっと態様が微妙といえば微妙。第5689226号は最近の2013年出願です。
 
被告のヤマサさん側は、先使用権を主張して争っていたようですが、商標の先使用権が認められるには周知性が必要です(ってことは、上記のトラブル事例でも触れています)。
 
さて、ひろた は 幼い頃から ヤマサさんの ちくわ をかじりながら育った地元民です。
愛知県では「昔っから ちくわ は ヤマサ に決まっとる!」と、口々に叫ばれるほど、ヤマサブランドが浸透しています。
 
んが。
 
「かに道楽」という商品名のかまぼこ…
知らんかった (^_^;)
 
なので、先使用権はちょっと厳しかったかな?
 
今後は「かに道楽」という商品名を使用しないとのことですが、ヤマサブランドの神通力があるから、
「ヤマサの かに風味かまぼこ」
でも十分売れるんじゃないかな?(つか、むしろ そっちの方が売れるんじゃないか?と思ったり?)
 
 
かように、先使用権には周知性が必要ですけど、
周知性を獲得していなくても、
・サービスマーク(役務商標)については、1992年9月30日以前から継続使用している場合、
・サービスマークの中でも小売等役務ですと、2007年3月31日以前から継続使用している場合、
・いわゆる新しいタイプの商標(位置商標を除く)については、2016年3月31日以前から継続使用している場合に、「継続的使用権」が認められる場合もありますね。
( 新しいタイプの商標の「継続的使用権」についてはこちら:https://www.jpo.go.jp/seido/s_shouhyou/new_shouhyou_faq.htm )
ただし、いずれも、使用が認められる範囲の制限が結構狭いので、注意が必要です。
 
 
今日はこれでおしまい!
 
貴社の業務分野・業界トレンド・企業規模・部署規模等の情報を考慮し、企業様ごと・部署さまごとにカスタマイズしたセミナーを提供しております。
知財カスタマイズセミナー

「あいぎ法律事務所」では、知財サポート・企業法務サポートを行っております!
あいぎ法律事務所HP

海外商標や商標に関する著作の紹介など商標実務で必要な情報は、あいぎ特許事務所の商標ページでもアップしております。
あいぎ特許事務所HP(商標)

中小事業者様向けに商標登録に関する事項を平易に解説した情報発信ページをご用意しております。是非お立ち寄り下さい~(^○^)/
中小・ベンチャー知財支援サイト(商標登録 名古屋)

コメント

タイトルとURLをコピーしました